産業遺構の活用/Gas Works Park
シアトルに、旧ガス製造所を活用した公園”Gas Works Park”がある。操業を停止した工場は、1960年代は周辺企業の駐車場として利用されていたが、治安の悪化や不法投棄さらには土壌汚染が問題になっていた。有名な造園家のリチャード・ハーグが設計したこの公園は結果的にASLA賞をはじめ数々の賞を受賞たが、当初は、産業設備が良質な景観となりえるのか市民を交えた大議論があった。現在は、サイクリングロードも整備され、特に独立記念日には花火の見物場所として大勢の市民が利用している。
http://www.cityofseattle.net/parks/parkspaces/GASWORKS.htm
公園整備の過程で、市民の計画への参加があった点は注目したい。一方で、ガスワークスは化学的手法で土壌汚染の浄化を実施したが、その後、ピータ・ラッツが実施した、ドイツのエムシャーパークでは、ファイトレメディエーション(植生による浄化)をうまく活用しており、技術の発展と共に、修復プロセスやデザインそのものが変化している点も面白い。
日本でも、特に東京湾や大阪湾沿岸部では、エネルギーインフラ形態の変化や工場の海外進出などにより空地が増えており、シアトルと同様の課題を抱えている地域も多くなっている。産業遺構を地域資源として活用していく手法は別の機会にまた紹介したい。
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