Evidence-Based Design

 もう15年以上も前の話だが、大学最初のオリエンテーションで担当教官が言っていたこんなコメントをいまだに覚えている。

「卒業後どんな進路を選ぶにせよ”緑”が我々にとってなぜ必要なのかをしっかり考えることが本当に重要だ、この答えは一生見つからないかもしれないが、答えを模索するプロセスにより君達の能力が向上し(以下略)...」

たしかに、風雨をしのぐシェルターをつくる建築や、橋や道路、防災などを担当する土木と比べ緑に関わる業務はその必要性が的確に説明できていない場合もある。よって、なぜ緑が必要なの?という問いかけに対して明確な回答が出来るのか否かが、環境デザインとまちづくりに携わっていく上で大きなポイントになる。

従来必要とされた環境デザイン能力は経験とセンスから発揮されるケースが多かったが、今後は、環境に関わる多様なデータを科学的知見により合理的に取り扱うノウハウも同時に求められる事になるのではないか。そのような背景があり、先日のセミナーでは「科学的根拠に基づく設計”Evidence-Based Design”」を紹介した。

さて、この”Evidence-Based Design”についてSさんがわかりやすく整理してくれたので、ここでご紹介したい。

景観と環境保全を結びつける手法:http://d.hatena.ne.jp/Toshi-s/20050726/1122356744

興味深い切り口でまとめて頂いたので、是非ご一読ください。(と勝手に宣伝してよかったですか?)



コメント

  1. Unknown


    山田様

    私の記事をご紹介いただきありがとうございます。

    最近の世の中の動きを見ていると、実証実験を含めて日本もようやく

    "Evidence Based"な考え方に向かいつつあるようですね。

    山田さんが提起された「環境デザイン分野におけるEvidence Basedな手法」はこれからの都市環境・景観のあるべき姿を考える上で、大変意味のある視点を提供するものだと思います。わたしもこうした手法の啓蒙、普及のお手伝いができればと思います。

    返信削除
  2. Unknown


    早速のコメントありがとうございます

    環境デザイン分野におけるEBDに関しては、その根拠となるデータ数や検証がまだまだ不足しているという批判もあります。まずは実績の積み重ねが重要と考えておりますので引き続きご支援ご鞭撻よろしくお願いします。

    返信削除

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