投稿

外遊びの重要性/Outside Play

イメージ
ニューヨークタイムズに”Making Playgrounds a Little More Dangerous”と題した子供の発育と外遊びの重要性に関する記事が掲載されていたのでメモします


屋外で危険性のある遊び(risky play)が子供の心身の健康に大きな効用があることがいくつかの研究成果として示されています。

たとえば、ノルウェーの研究では外遊びが恐怖心をコントロールすることに役立つことが示されています。
https://www.researchgate.net/publication/249047571_Categorising_risky_play-How_can_we_identify_risk-taking_in_children's_play

また、イギリスとアメリカの研究データでは固定遊具が少なく、ツリーハウスやのぼり場など一見危険な要素を持つ遊び場のほうが、滞在時間が長くなりケガも少ないとの結果が出ているそうです。
https://static1.squarespace.com/static/562e1f86e4b0b8640584b757/t/5a4cdf2f0d929722a0ed3085/1514987350174/LondonFullStudyReport.pdf


実際、外遊びに関する21の研究論文をレビューしたところ、以下のようなプラス効果が示されたそうです。
 The systematic review revealed overall positive effects of risky outdoor play on a variety of health indicators and behaviours, most commonly physical activity, but also social health and behaviours, injuries, and aggression.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4483710/


下記サイトでは外遊びの計画をステップを踏んで検討できるツールが用意されています
https://outsideplay.ca/



バイオフィリックデザインのパイロットクレジット/LEED

イメージ
LEED 新築v4のバイオフィリックデザインに関する基準の備忘録
個人的にはクライテリアDやEが重要かと思います

---(原文転載)
The five design strategies must address at least one of the following criteria: A. The project design provides regular access to Nature in the Space as defined in 14 Patterns of Biophilic Design (or Environmental Features, Light and space, Natural Patterns and Processes, as defined in Biophilic design: the theory, science and practice of bringing buildings to life, Table 1-1).B. The project design offers Natural Analogues as defined in 14 Patterns of Biophilic Design (or Natural Shapes and Formsas defined in Biophilic design: the theory, science and practice of bringing buildings to life, Table 1-1).C. The project design has spatial properties that align with the Nature of the Space as defined in 14 Patterns of Biophilic Design (or Evolved Human-nature Relationships as defined in Biophilic design: the theory, science and practice of bringing buildings to life, Table 1-1).D. The project uniquely connects people to the p…

ノートルダム大聖堂のミツバチプロジェクト

イメージ
パリ市内では、オペラ座をはじめエッフェル塔やホテル、公園などで都市型養蜂(ミツバチプロジェクト)が実施されています。

フランスやドイツ、ベルギーなど欧州諸国では蜂蜜の一人当たりの年間消費量が500~1000g(日本の7倍程度)と言われており、蜂蜜のファンが多い事。歴史的に有名な養蜂学校がパリ市内にあり、養蜂技術が学べる場があること。加えて、市内の公園や家庭菜園で農薬の使用を禁止するなど養蜂のための環境が整備されていることなどが、パリ市内で都市型養蜂が広がった理由と考えられます。

先日悲劇的な火災が発生した、ノートルダム大聖堂にもミツバチの巣箱が3つ設置されていたそうです。
その状況が心配されていたのですが、空中写真で火災後も生き残ったことが確認されたと報道されています。
火災は残念ですが、ミツバチが生き延びたことはちょっとうれしいニュースですね

私の参加するミツバチプロジェクトも、4月から再始動しました。
今年も蜂蜜の生産だけでなく、ミツバチの健康管理と蜜源拡大、環境コミュニケーションを目的に展開するのでご支援よろしくお願いいたします。


■参考サイト
https://www.atlasobscura.com/articles/notre-dame-bees-survived-the-fire

野鳥の一斉調査~Global Big Day~2019年5月4日

イメージ
(引用:https://ebird.org(Artwork by Luke Seitz))


野鳥の一斉調査の話題
昨年5月の調査では3万人以上が参加し7000種登録されたとのこと
今年は5月4日に開催されます


参加の手順は以下の通り
1.ebirdのアカウント取得→Sign up here.
2.5/4に10分以上野鳥観察。裏庭でも可
3.見聞きした野鳥をebirdに登録。認識支援アプリはこちら→Merlin Bird ID
4.世界中で登録された野鳥情報を閲覧→Global Big Day page.

詳細はこちらで確認できます:https://ebird.org/news/global-big-day-4-may-2019


登録情報を見る限り日本からの報告はまだ限られているようですので、関心のある方は参加されてはいかがでしょうか?


バイオブリッツと呼ばれるこのような手法は、アプリに興味を持つ方や、登録数ランキングを上げたい方など様々な動機付が期待でき、より多くの参加が見込めます。
また、毎年同じタイミングで継続調査することで、経年変化のモニタリングやデータ精度の向上など様々なメリットがもたらされると思います。

私も10年ほど前に開発したアプリ「ききみみずきん」を用い、チームの一員として同種の一斉調査を行った経験があります。
https://greeninfrastructurejapan.blogspot.com/2014/11/2012_30.html

当時は、参加者の募集方法やデータ精度、データ編集にかかるマンパワーなど課題がありましたが、仲間に恵まれよい体験をさせていただいた記憶があります。


Society5.0の時代ですから、野鳥に限らず様々な分野でこのような取り組みを展開していきたいものですね



■参考サイト
https://www.hcn.org/articles/climate-desk-online-privacy-is-for-the-birds
https://ebird.org/home


Integrating Green and Gray : Creating Next Generation Infrastructure

イメージ
先月、世界銀行と世界資源研究所(WRI)から"Integrating Green and Gray – Creating Next Generation Infrastructure"というタイトルのレポートが発行されました。

従来のインフラにGIを統合することで、経済、地域、環境に便益を提供するとのことで、途上国の実例を中心に、多様な調査事例が報告されています。


たとえば、ソマリアの事例として深井戸よりもサンドダムを適用することで、建設や維持管理コストを削減できる事例などが紹介されています。

都市域ではUrban Stormwater Management(104p~)に、ワシントンDCやスリランカの洪水対策の事例が掲載されています。


本レポートは従来型インフラに生態系サービスを組み合わせることで干ばつや洪水対策を行う手法が幅広く紹介されているので、水関係のGI研究を行う際に有益なヒントを得ることができるのではないでしょうか。


個人的には、GIの特徴を説明した以下の2つの図が気になりました。

一つ目は横軸を時間軸、縦軸を便益とした際の、GIの特徴を示した図(33P)。
従来型インフラと比較してGIは効果を発揮するまで時間がかかるものの、中長期ではメリットも大きい特徴を説明しています。
2つ目はGIに関係するステークホルダーと多様な機能を説明している関係性マップ(47P)。

世界銀行からは、ほかにも関連するレポートが発行されているので要注目ですね。


■参考サイト
報告書DLサイト:https://openknowledge.worldbank.org/handle/10986/31430
プレスリリース:https://www.worldbank.org/en/news/feature/2019/03/21/green-and-gray



Klyde Warren Park/高速道路から公園へ

イメージ
テキサス州ダラスのクライドウォーレン公園は、街を分断していた8車線の高速道路上部に設置した公園で”From Freeway to Greenway”と表現されたりしています。

この公園の機能は単に分断された地区を物理的に結び付けるだけではありません。屋外でジェンカやチェスができる施設、年間1300ものフィットネス、音楽演奏、環境教育などの無償プログラム、レストランやフードトラック、広大な芝生広場やイベントステージなどにより年間100万人以上が利用するそうです。
また、公園整備事業の予算$1億1400万の半分は寄付金でまかなわれています。

この公園の開園以来、周辺に企業や文化施設が増加し13億ドルもの経済効果とそれに伴う税収が上がったとのことです。
加えて公園に隣接する3エーカーの土地の価格は2008年の3200万ドルから公園完成後9110万ドルに増加したと推定されています。

本事業は2017年のASLA賞も受賞しています。周辺の賃料も上がっているようなのでジェントリフィケーションが気になるところですが、公園を核とした米国のまちづくり/地域活性化策は本当に参考になりますね



■参考サイト
公園の公式サイト:https://www.klydewarrenpark.org/
ASLA賞:https://www.asla.org/2017awards/327692.html
記事:https://theamericanscholar.org/at-play-in-the-fields-of-the-bored/#.XK5stJj7SUl
クライドウォーレンパークのほか、NYのブライアントパークやハイラインなどを解説


バイオフィリックなまちづくり/The use of GIS to score biophilic urban developments and cities

イメージ
ESRI社の主催する2019 Geodesign Summitで発表されたプレゼンテーション資料として、GISを用いた”まち”や”建物”のバイオフィリック度の検討手法が紹介されています。

http://proceedings.esri.com/library/userconf/geodesign19/papers/Geodesign_13.pdf
(非常にデータ量が多いで注意)

研究背景を要約すると以下の通りです


人間は農村部に居住し自然と直接触れ合ってきたが、現代社会では都市部に居住し自然との接点が減少した。自然とのふれあいの欠如は、ストレスの増加、肥満、認知能力の低下、睡眠障害など様々な健康問題と関連しているバイオフィリックデザインの特徴には、視覚的および非視覚的な自然の認知やわくわく感が含まれ、設計者はバイオフィリック(指数)の強弱に基づきデザインを検討する必要がある

資料には、公園や緑道などとの距離や人口密度などを重ね合わせバイオフィリック指数を算出する手法や、ビルの壁や窓、座席位置の関係から緑の可視状況を把握する手法(当然的側の席が指数が良くなる)が、カールスタイニッツのプランニングフレームワークとともに紹介されています。

GISの経験者であれば直ぐに再現できるレベルと思いますが、まちづくりにおけるバイオフィリックとはなにか?を考えるヒントになると思いました。

ついでながら、バイオフィリックデザインに関する建築家の紹介動画も張り付けておきます。






■関連サイト
https://www.esri.com/en-us/about/events/geodesign-summit/agenda/carol-mcclellan
https://buildingproducts.co.uk/biophilic-building-design-impacts-physical-psychological-health/