清渓川再生/ソウル
先週の土曜日に「第2回世界都市河川ルネッサンスフォーラム」に行って来ました。
今回のテーマは「ソウルから東京へ。清渓川の流れは「春の小川」につながるか。~清渓川復元プロジェクトのキーパーソンたちを迎えて~」という設定で、ソウル市からも設計者、行政担当官、住民団体代表(商店代表)が来日し現場の生の声を伝えてくれた。清渓川再生とは、ソウル市が高速道路整備のため暗渠化(1968年)した清渓川を、2002年に高架道路を撤去して川を復元させる公約を掲げた新市長が当選して開始されたプロジェクトです。プロジェクトの詳細はソウル市のWEB(日本語)をご参照ください:http://japanese.seoul.go.kr/chungaehome/seoul/main.htm
本プロジェクトは、今までほとんど例が無かった都市河川再生というプロジェクトのため世界的に注目を集めており、このフォーラムも多数の参加者が集まっていた。(詳細な内容はこちらのWEBにUPされています:http://www.shibuyagawa.net/index2.html)
参加されたソウル市担当者コメントは次のようなものでした
- 10月1日にオープニングセレモニーがあり、30万人もの市民が参加した。
- 総工費は約350億円(予算通り)、工期は27ヶ月(当初見込み30ヶ月)
- 河川復元によるヒートアイランド抑制効果については2度程度低減と考えており、今後のモニタリングで明らかにしていく。
- プロジェクト推進には住民参加による現場見学会が重要なポイントであった。地下に閉じ込められ悪臭を放つ川を見た市民はこのプロジェクトの重要性を認識し回りの人にPRしてくれた。見学会後の市民アンケートによるプロジェクト支持率は80%を越えた。
- なくした高速道路の代替システムを設けると言う発想ではなく、都市内における新しい交通システム(脱車社会?)へのパラダイムシフトだ。つまり迂回路などは一切設けていない
- 21世紀の都市は利便性から環境へシフトしていく。
- ハードの整備だけでなく人と川がどう付き合っていくのかというソフト整備も重要。
午後からは慶応大学石川先生らから渋谷川の再生計画について報告があった。都市間の競争においては水や緑の環境インフラが重要な鍵になる事は、100年以上前にセントラルパーク設計者のオルムステッドが指摘している。都市としていかに成長していくのか? 今回のソウル市の取り組みと、今後の渋谷川の取り組みは要注目です。
※写真はボストン市内の河川。
※みずほ総研レポートにも関連情報が載っています:http://www.mizuho-ir.co.jp/research/documents/seoul050217.pdf
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