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都市における緑と市民の健康の関係/最近の記事3本

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都市緑地と近隣住民の健康の関係性に関しては様々な研究成果が発表されていますが、緑被率と精神衛生の関係性や肥満と緑地面積の関係など、ちょっと読んだだけでは腑に落ちない内容も少なくありません。 そんな中で、最近はハードとしてのランドスケープではなく、そこで用意されているプログラムや緑と住民の関係性などをインデックスとして上手く説明している研究成果も増えてきていると感じます。 最近発表された以下の3本記事も都市緑地に関わる人にとり参考になる内容と思います。 一つ目は、トロントのリージェントパークをケースとして、都市緑地とメンタルヘルスの関係を論じた記事。 Why Park Designers Need to Think More About Mental Health  緑地へのアクセスがストレスを軽減し、精神衛生を向上させるとされている。 しかし、高級住宅地の公園とは異なり、銃声が聞こえるような貧困地区で大規模な緑地が整備されると、犯罪を誘発してしまう事。 公園がコミュニティーづくりではなく、(犯罪発生拠点として)コミュニティ破壊の装置として機能する可能性がある事などが指摘されています。 都市緑地が愛される存在になるために、プランナーは公園面積やアクセス性など単純なインデックスだけではなく、もっと知恵を絞る必要があるとの示唆しています。 2つ目は、ペンシルバニア大学デザインスクールのニュースで紹介されていた、公園緑地と健康の関係性を論じた記事です。 Greener Cities and Human Health 身体運動を①仕事、②移動、③レクリエーションに分類すると、都市緑地は②と③に関係し、緑の魅力を向上させることで、住民の身体活動を増加させ、健康度を高めることが可能であると考えられる。 この理由からいくつかの研究は精神衛生も含め緑豊かなエリアの住民がより健康(肥満や高血圧が少ない)であると示している。 しかし、逆に、コンパクトな街の方がより健康であることを示す研究データもあり、自然と人間の健康の関係性はまだ明確に説明されていない。という内容です。 3つ目は、今月ハーバードから発表された、「ポケモンGoにより身体運動が増えるか否か」という興味深い研究資料です。 Gotta catch’em a