景観と規制

 国立市の高層マンションを巡る最高裁判決は大きな議論となりました。

 昨日(4月9日)の日経では”景観維持へ規制「賛成」9割”という調査結果が掲載されています。これはインターネットを通して東京都、大阪府、愛知県に住む20歳以上の1000人から回答を得た結果で、正確には「賛成」40.3%と「どちらかといえば賛成」53.1%で9割強となっています。



 この回答結果は、調査方法や対象が微妙に異なるものの盛岡と同様の結果となっています。

・盛岡「景観を守るため,山並みをカットするような開発は規制すべきだ」90.6%

・呉「良好な景観を守り育てるためには、一定のルール(規制)が必要」88%



 先月のブログにも書きましたが、景観法の全面施行により、「景観行政団体」となる政令市・中核市はもちろん、意欲のある市町村は都道府県と協議の上、景観計画や条例を制定し景観上問題のある建物などを制限できるようになります。



 良好な景観形成には一定の規制(ルール)が重要な役割を占めることは論じるまでもありませんが、かつての日本では私権を制限してまで景観を守ろうという考えは主流ではなかったように思います。



 最近この流れが大きく変わった要因の一つとして、景観と経済の関係が明らかになったことが挙がると思います。つまり、「良好な景観形成が観光ビジネス活性化、地域のブランド確立、不動産価値の向上などに必須である。」ということが明らかにされてきたことが、動向の変化に影響しているのではないでしょうか。



日本政策投資銀行による調査も、次の様にまとめられています。



以下一部転載---

  近年、経済成長を前提とした開発主義的思想が崩れるなかで、これまで相対的に重視されてこなかった都市の資産(景観・文化・伝統・環境など)が評価され始めている。戦略的に景観づくりを進めてきた自治体は、「都市の魅力」に加え、観光客増加など「経済効果」の面も含めて評価され注目を集めている。

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