Resilience/回復力・弾力性のあるまちづくり



先月末の2日間、グリーン復興の仲間達と東日本大震災の被災地である陸前高田と気仙沼を訪問し、現地の状況を確認するとともに、市長や被災された企業の経営者、ボランティアの方々ら11人からお話をお伺いしました。

写真は気仙沼市のものです。家屋だけでなく撤去できない車や船がまだまだ多数残されており、震災後4カ月以上経てもまだまだ復興どころか復旧にも程遠い状況でありました。



現地の方々と対話する中で、以下のような指摘がありました

・東北の役割を見直し、自然の恵みを生かした復興を行う必要があること(東北は日本の食糧庫)

・まち単位での食料やエネルギーの可能な限りの自立が必要であること、

・今回の震災を日本全国どこでも起こりうる問題としてとらえ、震災への準備をまちづくりの中で十分に行う必要があること、

短期的な復興だけでなく、継続的にまちが生き残れるような願いを込めた、中長期を見据えた重いコメントでした。

地盤沈下があった地区では、元のまちの姿に戻すのではなく、(ソフト・ハードとも)21世紀型の新しいまちをつくることが、生き残った者の務めだとの言葉もありました。



このようなご意見を受けて、Resilience(復元力や弾力性)という言葉を改めて思い出しました。

共同研究でご一緒した熊谷さんが、都市のレジリエンスをテーマに論文を発表されており、都市自身が復元力を持つことが今後ますます重要になるとコメントされていました。当時はぼんやりでしたが、今回の震災で、自然の持つ自己再生力や回復力を引き出すことが、今後のまちづくりにおける重要な視点となることを明確に認識できるようになりました。

  そろそろ発行されるランドスケープ研究の最新号にもレジリエンスに関して生物多様性と絡めて紹介する記事を寄稿させていただきました。もしよろしければご覧ください。



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