落葉と不動産価値



この時期になると、落ち葉が迷惑なので街路樹を伐採してほしい、いや緑の少ない街中に街路樹は重要だ、と各地で論争が起こります。

落ち葉が問題にならないように、夏の終わりに強剪定を行い、せっかくの紅葉が楽しめない状況となっている街路樹も少なくありません。また、樹冠が大きくなった街路樹を小さなものに植え替える作業もよく見られます。

この様な不幸な関係が生じている一因として、街路樹の便益が過小評価されていること、もしくは定量的に把握されていないこと。維持管理の負担バランスが崩れていること、資源としても落ち葉が有効活用されていないことなどが指摘できるかと思います。



一方、米国では不動産業者がセールストークとして

”あのエリアは落ち葉が多いから良い地区である”

とPRするくらい、都市林/街路樹が地域の共有財産として重要視されています。



USDAの資料ではオレゴン州ポートランドの街路樹は

・街路樹による年間の便益は$4500万ドル、一方維持管理コストは$460万ドルかかっている。

・街路樹は不動産価値を向上させ市の固定資産税を年間$1300万ドル増加させている

 などと紹介されています。



先週末の新聞には、地元の自治会や学校のOBが落葉清掃に協力することで、街路樹伐採の苦情が出なくなった成城学園(東京の高級住宅地)の事例が紹介されていました。自分たちの地域の環境・景観は自分で守るという意識・行動が重要なのですね



■サイト

The Value of Street Trees in Portland, Oregon:http://www.portlandonline.com/bes/index.cfm?a=267031&c=50795

イチョウ並木:岐阜中心街・長良橋通りなど、枝剪定;鮮やかな黄色一変寂しく:http://mainichi.jp/area/gifu/news/20111203ddlk21040032000c.html







 

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