Farmscaping



Farmscaping(もしくはNurseryscaping)とは、有益な微生物や害虫の天敵となる昆虫や両生類、コウモリ、鳥などを誘致し、その土地の生物多様性を高めながら生態学的なアプローチにより農地をマネジメントする手法です。

 たとえば、テントウムシを誘致してアブラムシを抑制する。昆虫を呼び込んで受粉を促進するなどして、生態系に配慮しながら農作物の収量向上や品質向上を目指すものです。



Farmscapingの便益は主に以下のようなものです。



・害虫防除のコストと農薬管理の必要性の減少

・受粉の改善による、作物の量的/質的向上

・農地における野生生物の生息地の確保(生物多様性の改善)

・土地の質の改善(栄養状況の改善):多様な植物を利用するため土壌浸食の防止などにもつながる

・生産する農作物の付加価値の向上

・バッファーゾーンで作付けする切り花や薬用植物などの販売収入



農薬だけに頼らないIPM(総合的病害虫・雑草管理)が21世紀に入ってからさらに注目されており、農水省からも多くの参考資料が出ています。このIPMの手法の一つとして位置付けられることもあるようです。

ただし、Farmscapingはより強く生物多様性を意識しており、農薬などの化学物質を使用せず生態系のバランスを保持することで、農地の合理的管理の実施を目指していると思います。



私の目指している「自然の恵みを生かしたまちづくり」と重なる部分がたくさんあり、よく参考にしています。



■関連サイト

http://www.extension.org/pages/18573/farmscaping:-making-use-of-natures-pest-management-services

IPM:http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/g_ipm/pdf/byougai_tyu.pdf



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