都市と生物多様性/7つのファクトシート

2010年のCOP10名古屋ではCOP9ボンに引き続き「都市と生物多様性」が大きなテーマの一つになるといわれています。



都市は、地球の面積に占める割合は5%以下ですが、都市居住者はすでに全人類の半数を超え、エネルギーなど様々な資源の75%が都市で消費されています。

よって、都市部の生物多様性の量的・質的向上を図り自然との触れ合いを体験できる場所を創出することは、単にハビタットを保全するという意味だけでなく、、多くの人に生物多様性に関心を持ってもらうための大変重要な課題と考えられます。



この「都市と生物多様性」に関して、このたび生物多様性JAPANさんが 「都市と生物多様性に関する7 つのファクトシート」(日本語版)を公表しました。


  目次は以下のとおりです


  1. 都市の生物多様性:地域レベルの行動が鍵となる理由

  2. 生物多様性損失の阻止:地球規模の義務としての行動

  3. 生物多様性管理における自治体の役割

  4. 生物多様性管理の牽引者としての地方政府

  5. 生物多様性管理における市民参加

  6. 生物多様性と気候変動」

  7. 都市の生物多様性のための緑地管理



特に、7. 都市の生物多様性のための緑地管理の以下のコメントに共感しました.

“統合的なデザインと開発を行えば、多額の費用をかけることなく都市の生物多様性価値を大幅に高めることができる。政策と行動に生物多様性を組み入れることで、都市をより暮らしやすく働きやすい魅力的な場所にし、全般的な暮らしの質を向上することができる。自然地域は、洪水防御や社会的疎外といった都市が直面する他の社会経済的課題に対して革新的な解決策を提供する存在でもあるのだ。自治体・地方の生息地と種の分布に関する詳細な知識を重要な社会的要素と共に取り入れていくことで、都市の貴重なスペースに多様な機能を与えることができる。生物多様性の主要素の保全に要する生息地域の規模と分布を確立することで、生物多様性を一層効果的に改善・管理できるようになるだろう。”



 

都市内の緑地に関しては、たとえ小規模であっても、重要な役割を果たしていることが指摘されています。“Practical tool for landscape planning? An empirical investigation of network based models of habitat fragmentation





このような考え方が広がると、“緑化”から生物多様性都市への動きに弾みがつくのでしょうね。






他にも重要な情報が満載です。



(ご参考)

環境省では8/18までの予定で「生物多様性地域戦略策定の手引き」のパブリックコメントを募集しています。


■関連サイト

都市と生物多様性に関する7 つのファクトシート:http://www.bdnj.org/publications/090805factsheet.html



生物多様性地域戦略策定の手引き:http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=11407



Practical tool for landscape planning? An empirical investigation of network based models of habitat fragmentation:http://www3.interscience.wiley.com/journal/121516757/abstract?CRETRY=1&SRETRY=0






コメント

このブログの人気の投稿

クルドサック/ラドバーン方式

インセクトホテルを設置する理由/GIとしての昆虫巣箱

芦屋市六麓荘の建築条例/敷地面積400平方メートル以上