Integrating Green and Gray : Creating Next Generation Infrastructure


先月、世界銀行と世界資源研究所(WRI)から"Integrating Green and Gray – Creating Next Generation Infrastructure"というタイトルのレポートが発行されました。

従来のインフラにGIを統合することで、経済、地域、環境に便益を提供するとのことで、途上国の実例を中心に、多様な調査事例が報告されています。


たとえば、ソマリアの事例として深井戸よりもサンドダムを適用することで、建設や維持管理コストを削減できる事例などが紹介されています。

都市域ではUrban Stormwater Management(104p~)に、ワシントンDCやスリランカの洪水対策の事例が掲載されています。


本レポートは従来型インフラに生態系サービスを組み合わせることで干ばつや洪水対策を行う手法が幅広く紹介されているので、水関係のGI研究を行う際に有益なヒントを得ることができるのではないでしょうか。


個人的には、GIの特徴を説明した以下の2つの図が気になりました。

一つ目は横軸を時間軸、縦軸を便益とした際の、GIの特徴を示した図(33P)。
従来型インフラと比較してGIは効果を発揮するまで時間がかかるものの、中長期ではメリットも大きい特徴を説明しています。
2つ目はGIに関係するステークホルダーと多様な機能を説明している関係性マップ(47P)。


世界銀行からは、ほかにも関連するレポートが発行されているので要注目ですね。


■参考サイト
報告書DLサイト:https://openknowledge.worldbank.org/handle/10986/31430
プレスリリース:https://www.worldbank.org/en/news/feature/2019/03/21/green-and-gray



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