都市林の木材としての再利用

街路樹などの都市林は空気の浄化や景観形成など都市に多くの便益をもたらしています。しかし、老化や疾病などにより毎年一定量が伐採されています。

伐採された都市林はどんな大径木であってもほとんどが、チップ化され肥料や燃料になっています。木材として新たな使命を得る都市林はほとんどありません。

実際、工事などで伐採せざるを得ない樹木を木材として再生するには

  • 樹種がまちまちで品質が一定していないため買い手がつかない
  • 木材に釘などの異物が混入し鋸を損傷する
  • 製材所は都市には存在しないため物流にコストがかかる、

など多くの課題が存在します。


今月リリースされたCITY LABの記事では、米国での都市林再利用の情報が紹介されています。
例えば、ニューヨーク市だけで年間8000本の都市林が伐採されるそうですが、日本と同じくほとんど再生利用されないそうです。

そんな状況を打開しようと”CITY BENCH”という企業が活動しています
彼らは主にコネチカット州、NY集、NJ州の都市から発生する木材を集め、ベンチや家具などに加工販売しています。





(Courtesy of CITY BENCH)



割れが入っていたり、形状がいびつだったり、釘が打ちつけられていたり、、
個性あふれる都市林の特徴を上手に活用し、単に再利用したというレベルではなく、ファニチャーとしてデザイン性の高い商品に仕上がっていると感じました。
担当スタッフが材の特徴を見極める高い技量を保有しているのでしょう。

使命を終えた街路樹から作成したこのような家具が置いてある店舗が増えれば、
人と自然の関係性をより深く考えるよい機会になるのではないでしょうか。

私も国内の某プロジェクトで同様のチャレンジを行っておりますので、近いうちに別媒体で紹介出来ると思います。



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