バイオフィリックデザインのエビデンス/自然との触れ合い関連

今月発行になった、人の幸福や健康と自然の中でのレクリエーションとの関係性を調査した論文の備忘録。
筆者はUniversity of Exeter Medical SchoolのMathew White博士ら
タイトルは”Spending at least 120 minutes a week in nature is associated with good health and wellbeing”








バイオフィリックデザインに関連している方にとって興味深いタイトルではないでしょうか。

(概要メモ)

  • 過去7日間の自然との触れ合いと健康及び幸福の関係を自己申告で調査
  • 参加者は19806人、2014年から2015年に実施。
  • 地域差などは考慮し住宅の前庭のような場所で過ごした時間は参入せず
  • 過去①週間に自然との触れ合いが無い被験者と120分以上あった被験者を比較すると、健康や幸福感の高まりに以下の有意の差が出た。
(e.g. 120–179 mins: ORs [95%CIs]: Health = 1.59 [1.31–1.92]; Well-being = 1.23 [1.08–1.40]).
  • この関連性は200-300分でピークに達し、それ以上メリットは増加しなかった
  • このパターンは高齢者や長期的な健康問題を抱えるグループも含め同じ傾向であった
  • 自然との触れ合い時間(120分間)の内訳は関係なし。(一度に長い時間か短時間で数度かは関係なし)
  • この研究成果は、健康のための自然との触れ合いに関するガイドライン策定に有益だ


人と自然の健康に関する研究は被験者数が課題となりますが、本研究は自然環境モニタリング調査に参加したボランティアを対象とすることで、2万人近い被験者を確保したようです。

本論文は公開(2019/6/13)されており全文はこちらで入手可能です
https://www.nature.com/articles/s41598-019-44097-3

エセックス大学メディカルスクール
https://www.ecehh.org/



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