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3月, 2019の投稿を表示しています

グリーンインフラのROI/Chicago River system

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ウィスコンシン大学から川のグリーンインフラ化による経済効果を評価した、興味深いレポートが発表されました(2019/3/14) The Blue/Green Corridor: Establishing theIntersection between Economic Growth and Environmental Design  このレポートでは、blue/green corridorとしてシカゴリバーシステムを開発することにより、投資に対して1.77倍のリターンがあると説明しています。 具体的には年間1614人の新たな雇用を生み出し、川の水質や生物多様性、レクリエーション、公衆衛生を改善し、洪水や公害リスク、ヒートアイランドの低減が期待できるとのこと。 また、 Chicago River system  沿いの123,000もの不動産価値を調査し、グリーンインフラ化により15年間で住宅の価値が5%上昇するとの結果も発表されています。 これらをあわせ、15年間で$192,171,718/年(約211億円/年)の便益があるとのことです。 加えて、今回の評価に含まれていない他の効用と評価手法も紹介されています。 (引用: www.uww.edu/ferc/completed) 本レポートではデータ取得方法、評価手法、結果、参考文献などが紹介されており、GIのROI評価に取り組んでいる方には参考になるのではないでしょうか。

女子学生向け職能紹介/Landscape Architect | Ujijji Davis

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Career girls という米国の女子学生向けの職能紹介サイトで、Landscape Architect が紹介されています。 主な内容は以下の通り 仕事の内容 Landscape architects spend much of their time in offices, where they create plans and designs, prepare models and preliminary cost estimates, and meet with clients and workers involved in designing or planning a project. They spend the rest of their time at jobsites. 必要なスキル Analytical skills. Landscape architects must understand the content of designs. When designing a building’s drainage system, for example, landscape architects must understand the interaction between the building and the surrounding land. Communication skills. Landscape architects share their ideas, both orally and in writing, with clients, other architects, and workers who help prepare drawings. Effective communication is essential to ensuring that the vision for a project gets translated into reality. Creativity. Landscape architects create the overall look of gardens, parks, and other outdoor areas. Their designs shou...

高速道路のグリーンインフラ化

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ニューヨークの老朽化した高速道路” BQE ”再生の話題 BQEは毎日144,000台の車両が利用しています。 その修繕方法に関しては様々な議論がありますが、今回の提案は高速道路を単に車両専用とするのでなく、球技場、ドックラン、自転車専用道などのある”公園”として再整備するものです。 本提案は、将来的な交通量の変化に対応するとともに、参考図のようなトリプルカンチレバーを用いて段階的にグリーンインフラ化するオプション提案となっています。 工費・工期や施工中の代替ルートの確保、地元住民の意見、将来的な交通量変化予測に対する考え方など様々な課題がありますが、将来を見据え活発な議論が交わされているようです。 文末のリンク先には韓国/清渓川やパリ/Georges Pompidou Expresswayなど高速道路をGI化した事例が紹介されています。ご参考まで (出展:DOT, brooklyneagle.com) 参考リンク: https://comptroller.nyc.gov/wp-content/uploads/2019/03/BQE-Proposal-Comptroller-Stringer.pdf https://brooklyneagle.com/articles/2019/03/13/stringers-dramatic-plan-to-turn-bqe-into-elevated-park-wins-praise/

農活動と健康/ がん生存者のライフスタイルと改善

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農/園芸活動が癌生存者のライフスタイルにどのような効用を与えるのかを調査した以下のレポートが報告されています。 Pilot Randomized Controlled Trial of a Home Vegetable Gardening Intervention among Older Cancer Survivors Shows Feasibility, Satisfaction, and Promise in Improving Vegetable and Fruit Consumption, Reassurance of Worth, and the Trajectory of Central Adiposity この調査は、米国アラバマ州の46歳以上の癌生存者42名に対し、無作為に園芸活動を行うグループと待機するグループに分け、身体能力や胴回りなどの身体指標、行動などを1年間調査したものです。 園芸活動を行う被験者には、トラブル対応をアドバイスする指導者や苗、種子、園芸用具が提供されています。 本調査の主な結果は次のようなものでした。 ・実験参加者の75%が園芸活動を継続したいと希望した ・胴回りは両グループとも増加したが園芸活動グループは+2.3cm,コントロールは+7.96cmとなり、胴回りの増加量の減少がみられた。(p=0.02) ・園芸活動グループは野菜や果物の消費量が増加した(実施前1.34→実施後2.34、コントロールは1.22→1.12) ・高齢の癌生存者に園芸活動は有効であり、食生活や身体の改善する可能性が示された。 ・ただし、サンプル数や被験者の偏り(女性・高学歴)があること、身体能力に関しては有意な差がみられなかったなどの課題がある 論文著者名を見ると本研究には栄養学をはじめ医師や植物学の研究者が参加しており、横断的な研究の重要性を強く感じます。 研究チームはさらに400人以上を被験者として継続調査中との事ですので、今後の報告も要注目です。