deliberative development

オーストラリア・メルボルンで注目されている”deliberative development”の話題。
先月AILA主催で開催されたパネルディスカッションでの議論が記事になっています。

記事では、投機的な企業が実施してきた過剰で環境を試みない住宅開発モデルと比較して、環境・コミュニティーを重視する新たな開発モデル”deliberative development”の概要を以下のように紹介しています。


・deliberative developmentはデザイナーや将来の入居者集団がプランを検討する開発モデルであり、リスクと収益が主な目的ではなく、コミュニティ志向の開発モデル。

・都市デザイナーAndy Fergusの説明では「本手法により25~30%開発コストが削減され、その分、環境性能やコミュニティ価値向上などの品質向上や価格低減に貢献できる。」とのこと。

・このモデルはナイチンゲール住宅開発をきっかけに注目が集まった。

・1970年代に英米のニュータウンモデルを参考に開発されたバーモントパークは最初のdeliberative developmentモデルであり、プライベート空間を遮断しながら共有スペースを確保しインフラとしての公園を整備している。


(引用:http://nightingalehousing.org/)


(引用:https://www.foreground.com.au/)
(Image courtesy Tract)



本モデルは資金調達や行政との調整などに課題があり、計画進行にまだ改善の余地は残るものの、今後メルボルンのより多くの場所で適用していきたいとコメントされています。


興味深かったのは、このパネルディスカッションをオーストラリアの造園協会(AILA)らが主催していること。パネラーも造園のバックグラウンドがある人が多いようです。
http://mpavilion.org/program/commoning/


deliberative developmentはDIYモデルとも呼ばれるそうです。日本でもコーポラティブハウスと呼ばれる開発モデルがありますね。今後の展開に要注目です。


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