都市公園は幸せな都市をつくれるか?/ Gallup-Healthways Well-Being Index

都市の緑が住民の健康維持や幸福感醸成に貢献している事は改めて指摘するまでもありませんが、一部からは、その効果があいまいであるといわれています。
一方、GISやビックデータ解析を活用し、緑地が都市住民に対して具体にどのような効用があるのかを議論する研究データ発表が最近増加したように感じます。

そんな時流に乗った研究が最近発表されましたので以下にメモを残します。


1.PLOS ONE誌に掲載された”Public Parks and Wellbeing in Urban Areas of the United States”
2.米国の主要44都市を対象としてGallup-Healthways Well-Being Indexを活用した調査を実施
3.本インデックスは以下の5つの要素を持つ
  • Purpose Well-Being: Liking what you do each day and being motivated to achieve your goals
  • Social Well-Being: Having strong and supportive relationships and love in your life
  • Financial Well-Being: Effectively managing your economic life to reduce stress and increase security
  • Community Well-Being: The sense of engagement you have with the areas where you live, liking where you live, and feeling safe and having pride in your community
  • Physical Well-Being: Having good health and enough energy to get things done on a daily basis
4.主な研究成果

  • 都市の公園整備の状況と都市住民の幸福度の関係性を調査した結果、正の相関がみられた。
  • たとえば、ワシントンDCは都市公園率(22%)がもっとも高いグループに位置し、5つの幸福感も高かった。
  • その反対にインディアナポリスはわずか5%の都市公園しか整備されておらず、本研究の中では幸福感は最低の都市であった。
  • その他、都市公園率と幸福感の双方が高い年は Raleigh-Cary, North Carolina; San Francisco-Oakland, California; Minneapolis-St. Paul, Minnesota; and El Paso, Texas.
日本で進められている農福連携や健康経営への取り組みにおいても、このような根拠を示しながらGIへの投資をさらに加速する必要がありそうです。

調査方法などの詳細はこちらを参照ください。


コメント

このブログの人気の投稿

インセクトホテルを設置する理由/GIとしての昆虫巣箱

Big Dig完成から10年/ボストンのGI

芦屋市六麓荘の建築条例/敷地面積400平方メートル以上