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GIと気候変動緩和・適応 / ASLA Smart Policies for a Changing Climate

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昨日のランチの際に自然災害増加の話題が出たのでメモ

国連の自然災害に関するデータベース(EM-DAT)によると、1970年以降世界的に自然災害が急増しています

(Asian Disaster Reduction Centeサイトから転載)
もちろん数値が急増した原因は、気候変動だけでなく、人口増加に伴い被害が広がっている(人が居住していなければ被害が起きない)ことも指摘されています。 しかし、いずれにせよ、気候変動緩和/適応は待ったなしの状況であることは論を俟たないかと思います。
では、環境デザイン/グリーンインフラ分野でどのような取り組みが必要となるのか?
ASLAが、参考となる関連レポート”Smart Policies for a Changing Climate ”(PDF)を出しています。


例えば、コミュニティー開発では
デザインの方向性として
・コンパクトな歩ける街(Walkable)を目指す
・ブラウンフィールドとグレイフィールドを再利用/再開発し、公園や農地とする
・再生可能エネルギーの採用 など

政策の方向性として
・空地空家の再活用
・グリーンインフラに資金を提供するファンドの設立
・不動産保険の基準の再検討
・リスクの高い地域からの移転の促進

などが紹介されています。

この様な取り組みは、効果が見えにくいのが課題ですが、「カーボンニュートラルの未来は個々の無数の取組みの積み重ねによってのみもたらされる”Achieving a carbon neutral future will only come about through the cumulative effect of countless individual actions.”」とのコメントが印象的です。

英国のThe Landscape Instituteも同様のレポートを発表しています。

https://www.landscapeinstitute.org/PDF/Contribute/LIClimateChangePositionStatement.pdf


ASLA 2018 Awards

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2018年のASLA賞の発表があり、Landscape Architecture Magazine9月号に詳細が掲載されています。

368の応募作の中から25作品が受賞とのことで、今年も職域の広がりを感じるプロジェクトが多数紹介されています

コミュニケーション部門では、
ハリケーンからの復興への住民参加を支援する取組みやボルティモアの植生による水浄化システム

アナリシス部門では
オレゴンのダム湖周辺の遊歩道計画やアイオワの文化的景観の保全計画

ジェネラルデザイン部門では
ブルックリンブリッジパークやシカゴのリバーウォーク、デューク大学の雨水対策などのキャンパス整備プランが選ばれています


こちらのサイトでも内容紹介されています



セントラルパークを対象とした国際アイディアコンペ/LA+ ICONOCLAST 

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(LA+より転載)


NYのセントラルパークがエコテロリストによって破壊された、というショッキングなフェイクニュースを用いて、セントラルパーク再生をテーマとした国際アイディアコンペがアナウンスされています。

このコンペは、オルムステッドらが実施したように、セントラルパークを最初から設計することが求められており、今日の都市公園の役割や公園における美しさと機能の一体化などが問われています。

主催はLA+ICONOCLAST(ペンシルバニア大学デザインスクール)
10/10が締め切りで、賞金総額は2万ドルだそうです
審査員や提出図書などの詳細は公式サイトで確認できます

本物のコンペの募集にフェイクニュースを使ったところが、今の時代を反映していて面白いですね。


Times square 広場化改修

Watch this video on The Scene.






Times square の改修計画に参加したCraig Edward Dykersのインタビュー動画。 NYグランドセントラル駅からヒントを得てプランを検討したこと、歩行者が快適に移動できるように、その行動をどのように誘導するのかなど解説しています。
詳しい記事はこちらです。

タイムズスクエア広場化のプロセスに関しては建築学会の論文「ニューヨーク市タイムズ・スクエアの広場化プロセス」に詳しく紹介されています。



Vacant to Vibrant/空地を活用した水循環型まちづくり

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米国では汚水と雨水を一緒に流す合流式の下水が大雨時にオーバーフローすることにより、河川や湖、海の水質汚濁を引き起こし大きな問題となっています。
しかし、費用などの問題からインフラ改修はなかなか進んでいません。

五大湖周辺においてもビーチで悪臭が発生する等大きな問題になっています。
この課題に、人口減少により発生した空地を活用し取り組んでいるプロジェクト"Vacant to Vibrant"がLAM8月号で紹介されています。



(Vacant to Vibrantより転載) 概要は以下の通りです

合流式下水の問題が発生しているオハイオ州クリーブランドでは1950年代から人口が減少し、空地や空き家が3万箇所も発生している。Sandra Albro(クリーブランド植物園)はSean Burkholder(ペン大)とともに、空地にレインガーデンを設置することで、湖沼に流入する水質を改善するプランを立案レインガーデン建設のための$862,000の資金を獲得土地利用データから不透水面を抽出し、そこに隣接する空き地にレインガーデンを設置22エーカー、221の空き地にレインガーデンを整備する他、雨水貯留タンクや緑化屋根も整備、加えて、遊び場や遊歩道なども整備設置後モニタリングを実施し、効果を確認モニタリング結果を用いた試算では5大湖のオーバーフロー問題を解決するために12万の空き地が必要。そのコストは21億6千万ドル(1.8万ドル/箇所)になる。これは下水道を回収するコスト30億ドルよりも安い下水道の改修と比較し、レインガーデンの整備は不動産価値向上、住民の健康向上など多くのメリットがある。

Vacant to Vibrantというタイトルがキャッチーでよいですね。



SITESと公園/D.C. Bartholdi Park

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緑地認証システム”SITES”の基準とコミュニティにおける公園の役割を解説する動画を備忘として貼り付けました

再生資材の利用、土壌への配慮、レインガーデンなどが紹介されています。



健康まちづくりと微生物/Designing Cities for Healthier Microbiomes

2年ほど前、MITの研究者がミツバチ巣箱内の微生物サンプルを収集したいとの事で、東京駅前の都市型養蜂施設に案内したことがあります。

なんでも、共同研究者と共にロンドンの地下鉄やNYの下水管の中など世界中でサンプルを収集しており、微生物の分布データをこれからのまちづくりに役立てたいとの話でした。

その時は十分に理解できませんでしたが、先日オクラホマで開催されたEDRA会議(Environmental Design Research Association conference)の紹介記事を見て、何点か腑に落ちたのでメモします。


マイクロバイオームと人間の肉体的/精神的健康の深い関係性が議論され始めたキッチンの壁など我々が暮らす環境は微生物に覆われており、有益な微生物は有害な微生物を抑え込んでいる。ブルックリンのGowanus Canalの底泥を調べると、汚染物質の一部を微生物が紹介していることがわかった。例えば、病院の建物に光と風を呼び込むことで病原菌を防ぐことができることがわかった。都市農業などで土と触れ合うことで、有益な微生物と接触する可能性が増え、それにより子供も大人もうつやアレルギーのリスク減少に貢献することができる。これからの健康まちづくりでは、微生物も注視すべき。公園や広場に土と触れ合える空間を創り子供も大人も汚くなるようにデザインすることも重要
日本では衛生上の問題から砂場が撤去されるなど、汚くなるような遊び方はやりにくくなっているかもしれません。とはいえ、健康な生活を送るためには、一定レベルで自然とふれあい、微生物のバランスをとりながら有害なものに抵抗していく体を育てる事が必要なようです。その意味では、泥だらけになる屋上水田の機能なども再評価すべきなのでしょう。

都市の中でどのような形で自然との触合い機会を提供するのか、バイオフィリックな視点で多様な角度からデザイン検討することが益々重要になりそうです。


参照先:https://dirt.asla.org/author/asladirt/
関連サイト:http://elizabeth-henaff.net/
https://www.nytimes.com/2013/05/19/magazine/say-hello-to-the-100-trillion-bacteria-that-make-up-you…