健康と緑地

緑と健康関連論文の備忘録です


”Doses of Nearby Nature Simultaneously Associated with Multiple Health Benefits”

https://www.mdpi.com/1660-4601/14/2/172/pdf

自然との触れ合いが、様々な健康上のベネフィットを提供する。英国南部の1000人を対象とした調査では、自然との触れ合いの頻度と期間により、精神的な健康、肉体的な健康および社会的健康(連帯感など)が影響を受けていることが分かった。

うつ病は英国で75億ポンドの医療費を要しており、これを減少させるために自然の景観を臨む部屋の準備や散歩を促す環境が重要であることがわかった。身近な自然の整備がより費用対効果の高い健康維持へのアプローチとなる可能性が高い。


"Nature-Based Interventions for Improving Health and Wellbeing: The Purpose, the People and the Outcomes"

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31185675/

自然との触れ合いは多くの人の生活の重要な部分であり、都市計画から医学の分野まで自然の重要性は益々認識されるようになってきている。すかし、都市化による自然劣化が生じている。それにもかかわらず、自然を用いた健康予防(Nature-based health interventions (NBIs))は、自然に基づく経験の促進を通して、身体的、精神的、社会的健康と幸福度を改善する。本調査では合計27の病気の予防、幸福促進、特定の身体的、精神的、社会的健康の治療を目的としたNBIを特定した。これらの健康予防は、病院の庭や公園など人が暮らし、学び、癒す環境を変化させるものや、プログラムなどにより行動を変えるものに整理できる。


”Health Benefits of Urban Allotment Gardening: Improved Physical and Psychological Well-Being and Social Integration”

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5295322/

都市居住者が増加する中、公衆衛生と福祉を両立させることは大きな課題です。本研究では、クラインガルテンに参加することによる身体的、心理的、社会的健康への影響を定量評価します。東京で332人を対象にアンケート調査を実施し、自己申告による健康と園芸活動者と非園芸活動者を比較しました。全般的な健康の自覚、健康への不満、BMI,メンタルヘルスと社会とのつながりなどを調査しました。その結果、BMIは差がなかったが、健康の自覚、不満、メンタルヘルスと社会とのつながりで園芸は良い影響が出ました。園芸の頻度や期間の差は大きな影響はありませんでした。この結果は、市民農園での定期的な活動が、身体的、心理的、社会的健康の改善に関連していることを示しています。最近の慢性疾患の増加と、それに伴う医療費増加に対して、都市の土地利用の改善がによる予防医療の可能性が示唆されました。

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