ユニバーサルデザイン原則/ASLA



ASLA(米国造園家連盟)から近隣開発などにおけるユニバーサルデザインのガイドや原則が発表されています。

ユニバーサルデザイン原則は以下の要素が示されています

  • Accessible:全ての公共スペースに、身体的・精神的・認知能力に関係なくアクセスできる
  • Comfortable: 安心感に加え包括的な帰属意識(an inclusive sense of belonging)が必要
  • Participatory:障害を持つ方や医療関係者と協働
  • Ecological:生物多様性を意識した自然との触れ合い機会の提供
  • Legible:明解でわかりやすいデザイン
  • Multi-Sensory: 視覚だけでなく聴覚や触覚も活用
  • Predictable:快適性や安全性確保のため、あらゆる年齢や能力の人に予測可能な空間を提供
  • Walkable / Traversable: 車だけでなく歩行や車いすのため広い歩道や自転車レーンを提供


また、ガイドは以下の5分野が公開されています

  1. 近隣/Neighborhoods
  2. 街路/Streets
  3. 公園や広場/Parks and Plazas
  4. 遊び場/Playgrounds
  5. 庭園/Gardens


例えば、遊び場編では以下の視点が紹介されています(抜粋)
・Multiple forms of play:様々な感覚を活用して遊ぶ空間
・Landform design:子供が登ったり転がったりジャンプしたり滑ったりする空間
・Ease of access:視覚をサポートするための地面と遊具の色分けや、緩い傾斜など複数ルートの設定
・Non-toxic, non-thorny plants: 高アレルゲンの植物を使わない
・Range of sensory engagement:刺激の受け止め方の多様性に対応するため、大きな魅力的な空間だけでなく、小さく静かな場所も用意する
・Materials:静電気を減らすためにプラスチックよりスチールを使うなど
・Accessible equipment:全ての子供がアクセスできるわけではないが、車いすでアクセスできるブランコを用意するなど出来るだけアクセス可能にする
・Interpretive signage: サインの設置位置は高さに配慮、点字を用意するなど

加えて、遊びは子供の為だけでなくあらゆる世代に必要なもののため、シニア向けの設備も推奨されています。


 都市構造の異なる米国で議論された内容であり、全体的に抽象的な文章のため十分理解しにくい項目も含まれています。一方、”inclusive sense of belonging”など腑に落ちる事項も示されており、環境デザインに関わる人のなにかのヒントになる資料ではないでしょうか。



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