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1月, 2018の投稿を表示しています

花粉症と植栽/ Allergy-Friendly Plants

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花粉症には一年で一番憂鬱な時期になりつつあります というわけで、アレルギーリスクに関連する植栽選定のネタ (ネタ元は こちら ) 日本ではスギやケヤキが有名ですが、それ以外にも様々な植物の花粉がアレルギーを誘発します。 恐ろしいことに、気候変動により今後花粉の発生数はますます増加するとのことです Rutgers Universityの推定では、2000年の花粉発生数は1m3あたり8,455粒であったのに対して、2040年には21,735粒まで増加する見込みだそうです。 こんな状況ですが、植栽計画でも花粉アレルギー対策を検討する事があります。 有名なのは、Thomas Ogrenが制作した OPALS(Ogren Plant Allergy Scale) (転載:Fix.com) OPALSは、アレルゲンレベルに基づいて植物を1~10のスケールで示しており、1~5は低リスク、10はもっともリスクが植物となっています。 ちなみにレベル1には、ブルーベリーやプラムが入っています。 OPALSに関しては、 allergy-friendly gardeningを推進している The Society for Allergy Friendly Environmental Gardening (SAFE Gardening) の サイト でも詳しく紹介されています。 10年以上前ですが、このブログに書いていたのでよろしければご参照ください。 http://greeninfrastructurejapan.blogspot.jp/2014/11/allergy-free-gardening.html allergy-free gardeningから、 allergy-friendly gardeningにいつのまにか変わっていました、、

緑による健康的な職場づくり/A Greener, More Healthful Place to Work

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働き方改革は緑の活用から! というわけで、緑を活用した最新のワークプレイスに関する NYタイムズの記事 (1/11)をスクラップ ”A Greener, More Healthful Place to Work”というタイトルで、バイオフィリックデザインを意識して設計されたマンハッタンのCookFox Architectsのオフィスなどを事例紹介しています。 (転載:CookFox) (転載:NYpost) CookFoxはバイオフィリックをテーマにOne Bryant Parkなどを手掛けている設計事務所です。 マンハッタン中心部に位置する事務所の室内には在来の木本類、草本類など様々な緑が植栽され、緑に囲まれた屋外の打ち合わせスペースも設けられています。 養蜂も実施しているとの事。 記事では、アメリカ人は一日の90%以上を屋内で過ごしていること。それがストレスホルモンの増加など健康上問題になることが研究により明らかにされつつある事を紹介しています。 一方、生態学を活かした設計により、病気による欠席率が減少させ、生産性を15%上げること、有名な「レンガ理論」による病院の治療効果の向上のなどが示されています。 結びにクック氏の以下のコメントが紹介されていました。 “We don’t just want more beautiful buildings and better health,” he said. “The health benefits and the energy reductions are going to need to go hand in hand.”

deliberative development

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オーストラリア・メルボルンで注目されている” deliberative development ”の話題。 先月AILA主催で開催されたパネルディスカッションでの議論が 記事 になっています。 記事では、投機的な企業が実施してきた過剰で環境を試みない住宅開発モデルと比較して、環境・コミュニティーを重視する新たな開発モデル”deliberative development”の概要を以下のように紹介しています。 ・deliberative developmentはデザイナーや将来の入居者集団がプランを検討する開発モデルであり、リスクと収益が主な目的ではなく、コミュニティ志向の開発モデル。 ・都市デザイナーAndy Fergusの説明では「本手法により25~30%開発コストが削減され、その分、環境性能やコミュニティ価値向上などの品質向上や価格低減に貢献できる。」とのこと。 ・このモデルは ナイチンゲール住宅開発 をきっかけに注目が集まった。 ・1970年代に英米のニュータウンモデルを参考に開発されたバーモントパークは最初のdeliberative developmentモデルであり、プライベート空間を遮断しながら共有スペースを確保しインフラとしての公園を整備している。 (引用:http://nightingalehousing.org/) (引用:https://www.foreground.com.au/) (Image courtesy Tract) 本モデルは資金調達や行政との調整などに課題があり、計画進行にまだ改善の余地は残るものの、今後メルボルンのより多くの場所で適用していきたいとコメントされています。 興味深かったのは、このパネルディスカッションをオーストラリアの造園協会( AILA) らが主催していること。パネラーも造園のバックグラウンドがある人が多いようです。 http://mpavilion.org/program/commoning/ deliberative developmentはDIYモデルとも呼ばれるそうです。日本でもコーポラティブハウスと呼ばれる開発モデルがありますね。今後の展開に要注目です。