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緑地と炎症性腸疾患のリスク

 都市化の進展(緑地の減少)と炎症性腸疾患(IBD)の発症リスクの関係性に関するカナダ・オタワ大学の研究者らの論文のメモ ・カナダのオンタリオ州で1991年4月~2014年3月に病院で誕生した2,715,318組の母子のデータを利用 ・リモートセンシングデータ(NDVI指数)を利用して緑地と住宅との関係性を調査(妊娠期間と小児期の平均的な緑地を評価) ・性別、母体のIBD、出生時の田舎/都市居住、近隣の収入などを調整 ・3,444のIBD診断があり、住宅地周辺の緑地の増加は小児期のIBD発症リスクを低下 ・これまで、アトピー性皮膚炎や喘息などの免疫介在性疾患と緑地は量が負の相関であることが示されているが、IBDも負の相関があることが提示された ・その原因としては、直接的には緑地の中で様々な微生物に曝露される効果、間接的には緑地の中での運動量の増加やストレス軽減効果が考えられるとのこと 我が国でも、医療関係のデータを公開・利用することで、医療サービスの質を改善するような取り組みが一部で試行されていますね。 環境と疾患の因果関係の一部を解き明かすこのような研究は非常に重要で、今後も注目すべき課題と感じました ■論文 Residential Greenspace in Childhood Reduces Risk of Pediatric Inflammatory Bowel Disease: A Population-Based Cohort Study https://journals.lww.com/ajg/Fulltext/2021/02000/Residential_Greenspace_in_Childhood_Reduces_Risk.26.aspx