2年ほど前、MITの研究者がミツバチ巣箱内の微生物サンプルを収集したいとの事で、東京駅前の都市型養蜂施設に案内したことがあります。 なんでも、共同研究者と共にロンドンの地下鉄やNYの下水管の中など世界中でサンプルを収集しており、微生物の分布データをこれからのまちづくりに役立てたいとの話でした。 その時は十分に理解できませんでしたが、先日オクラホマで開催されたEDRA会議( Environmental Design Research Association conference )の紹介記事を見て、何点か腑に落ちたのでメモします。 マイクロバイオームと人間の肉体的/精神的健康の深い関係性が議論され始めた キッチンの壁など我々が暮らす環境は微生物に覆われており、有益な微生物は有害な微生物を抑え込んでいる。 ブルックリンのGowanus Canalの底泥を調べると、汚染物質の一部を微生物が紹介していることがわかった。 例えば、病院の建物に光と風を呼び込むことで病原菌を防ぐことができることがわかった。 都市農業などで土と触れ合うことで、有益な微生物と接触する可能性が増え、それにより子供も大人もうつやアレルギーのリスク減少に貢献することができる。 これからの健康まちづくりでは、微生物も注視すべき。 公園や広場に土と触れ合える空間を創り子供も大人も汚くなるようにデザインすることも重要 日本では衛生上の問題から砂場が撤去されるなど、汚くなるような遊び方はやりにくくなっているかもしれません。とはいえ、健康な生活を送るためには、一定レベルで自然とふれあい、微生物のバランスをとりながら有害なものに抵抗していく体を育てる事が必要なようです。その意味では、泥だらけになる屋上水田の機能なども再評価すべきなのでしょう。 都市の中でどのような形で自然との触合い機会を提供するのか、バイオフィリックな視点で多様な角度からデザイン検討することが益々重要になりそうです。 参照先:https://dirt.asla.org/author/asladirt/ 関連サイト:http://elizabeth-henaff.net/ https://www.nytimes.com/2013/05/19/magazine/say-hello-to-the-...