WPLPとSociety5.0(LAM誌記事より)

5月のブログで紹介したWPLP(西フィラデルフィアランドスケーププロジェクト)に関する記事が、ASLAの発行するLandscape Architecture Magazine 11月号に掲載されていました。主な内容をメモします。


  • フィラデルフィアではCSO(下水汚物による海汚染)問題などに対応するため2011年にグリーンインフラ計画ができた。これは1990年代にWPLPが実施したミルクリークのプロジェクトがヒントとなっている
  • 西フィラデルフィアのミルクリークの氾濫原は、埋め立てられ都市開発が進められたが、埋め立てた場所は建物が荒れ果て空地になっていると推察された。アンスパーンらはこの仮説を立証するため、街を詳細に調査し、地形図や土地利用、植生などを重ね合わせ(オーバーレイ)地図をつくり、古地図などとの比較を行った。
  • 1997年に助成金を得て研究データや改善計画をサイトに掲載し始めた。その結果、メディアが本プロジェクトを取り上げ、当時のクリントン大統領が訪問するに至った。
  • その後、様々な組織と連携しながら、在れた土地のアスファルトを剥がし、コミュニティーガーデン作りなどの土地の地下浸透能力を高める取組み(多孔質化)をすすめた。
  • 現在、WPLPのサイトは多数の研究レポートや動画が更新され続けており、世界90か国の100万人以上が閲覧するオンライン教材になっている


he 1991 proposal for Mill Creek Park. Image courtesy West Philadelphia Landscape Project.



情報を調査し、Websiteで発信し、協力者が集まり横の連携で地域を改善していく、、
WPLPの取組みはグリーンインフラのモデルとなるのはいうまでもありませんが、今風に言えば、経済発展と社会課題解決を両立するSociety5.0のモデルとも位置付けられるのではないでしょうか

私も学生時代に西フィラデルフィア・ミルクリークの横を通って通学していた経験があるので、当時を思い出しながら記事を読みました、、


LAM誌の原文はこちらです。



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