Vacant to Vibrant/空地を活用した水循環型まちづくり

米国では汚水と雨水を一緒に流す合流式の下水が大雨時にオーバーフローすることにより、河川や湖、海の水質汚濁を引き起こし大きな問題となっています。
しかし、費用などの問題からインフラ改修はなかなか進んでいません。

五大湖周辺においてもビーチで悪臭が発生する等大きな問題になっています。
この課題に、人口減少により発生した空地を活用し取り組んでいるプロジェクト"Vacant to Vibrant"がLAM8月号で紹介されています。



(Vacant to Vibrantより転載)
概要は以下の通りです

  • 合流式下水の問題が発生しているオハイオ州クリーブランドでは1950年代から人口が減少し、空地や空き家が3万箇所も発生している。
  • Sandra Albro(クリーブランド植物園)はSean Burkholder(ペン大)とともに、空地にレインガーデンを設置することで、湖沼に流入する水質を改善するプランを立案
  • レインガーデン建設のための$862,000の資金を獲得
  • 土地利用データから不透水面を抽出し、そこに隣接する空き地にレインガーデンを設置
  • 22エーカー、221の空き地にレインガーデンを整備する他、雨水貯留タンクや緑化屋根も整備、加えて、遊び場や遊歩道なども整備
  • 設置後モニタリングを実施し、効果を確認
  • モニタリング結果を用いた試算では5大湖のオーバーフロー問題を解決するために12万の空き地が必要。そのコストは21億6千万ドル(1.8万ドル/箇所)になる。これは下水道を回収するコスト30億ドルよりも安い
  • 下水道の改修と比較し、レインガーデンの整備は不動産価値向上、住民の健康向上など多くのメリットがある。


Vacant to Vibrantというタイトルがキャッチーでよいですね。



コメント

  1. 「人口減少対策」+「生活環境改善」+「水環境改善」+「こどもの遊び場創造」+「都市景観向上」+「メンテナンスコスト提言」などなど、工夫と連携によって生まれた素晴らしいレインガーデン取り組みと成果ですね。

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