地球温暖化と都市林/Los Angeles Times論説

本年度の環境循環型社会白書(環境省)でも大きく取り上げられている通り、今、環境問題では”地球温暖化”がもっともホットですね。



くだらないシャレは無視するとして、米国のロサンゼルスタイムズにこんな論説が掲載されました。



”Leafy, green and good
-A recent study is giving trees a bad rap in the battle against global warming.”



都市林が地球温暖化対策にどれだけ貢献できるのか?という重いテーマです。



カーネギー研究所が出した最新の研究成果により、都市林の働きに疑念が生じていたようですが、この論説ではこれに反論しています。




  • 地球温暖化対策として、樹木を用いるのは”道楽だ”という批判に対して反論する。

  • 都市林の働きは大きくは2つ

  • 1つは大気中の温暖化ガスを吸収し、根や幹に蓄積する機能

  • もうひとつは、樹木の緑陰や防風などにより夏冬のエアコンなどエネルギー消費量が減少できる事

  • 100万本の樹木は約100万トンの二酸化炭素を減らす

  • ロスは21%が樹冠に覆われている。一方、61%が屋根や舗装など非透水面

  • ロス市内の植樹可能面積の半分をみどりにするだけで、緑被率を28%まで上げることができる

  • 地球温暖化は複雑な問題で、新代替エネルギーの開発など取り組まなければならないが、木を植えるのは”今”われわれができる確かな温暖化対策だ



この論説の筆者であるマクファーソン教授は都市林の機能の定量的把握や費用便益などに取り組まれています。そのエビデンスベースドなアプローチは大変わかりやすく、地球温暖化対策としての都市林の働きについても定量的に「見える化」しています。<詳しくは本文参照してください

Think globally Act locallyという言葉がありますが、真摯な議論を深めつつ、今できることを可能な限り進めようという姿勢には共感できます。



■関連サイト

ロサンゼルスタイムズ:http://www.fs.fed.us/psw/programs/cufr/products/psw_cufr694_LATimesOpEd.pdf



H19年度環境循環型社会白書:http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h19/index.html



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