気候変動にともなう造園家の役割



2月15日付けでASLAから”Statement on Climate Change”という記事が発表されています。これは、昨年のASLA大会でゴア元副大統領が講演したことも影響していると思われます。



資料では造園家が、最近明らかになりつつある気候変動(気候変化)問題にどう向き合っていくのか、例として次のようなアプローチが提示されています。




・持続可能なサイトプランニング



・地域の植生の調査(潅水量を減らすため)と大気浄化、炭素固定化に貢献する緑化



・水害防止と水質浄化に留意した持続的な雨水管理の推進



・屋上緑化の推進



・スマートグロースやコンパクトシティ



・歩行者や自転車のための安全なルートデザイン



一見、気候変動問題とは関係のないような項目も含まれていますが、これらが気候変動とどう関わっているのか、また対応を誤ると将来的にどうなってしまうのか紹介されています。



 また、サイトプランニングやスマートグロースの項で掲載されは以下のようなコメントが掲載されています。




・米国は全世界の人口の5%しか居住していませんが、世界で排出される量の1/4のエミッションを出しているおり、その1/3が交通部門からであること。



・よって”Walkable and bikeable”なまちづくりは重要であること。



・ある研究では、車の交通が1%歩行や自転車に置き換わるだけで、2-4%のエミッションが減らせるとの結論も出ていること。



・駐車場への緑化(緑陰駐車場)は、ピーク時の気温低減に大きな効果があること。



・ビル外構への適用手法として植生排水溝やレインガーデンが推奨できること。



 その他にも、環境デザイン/造園分野に関わる重要なヒントが多数紹介されています。



この分野でも気候変動をどのように理解し、実際のプロジェクトの中でどのように取り組んでいくかは今後の大きな課題になるはずです。



>必読です!







■関連サイト

http://www.asla.org/pdf/climatechange.pdf

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