都立霊園/樹林墓地



東京都から、「都立霊園における新たな墓所の供給と管理について」(中間のまとめ)が発表されています。




東京都内の墓所事情では、「今後都内の墓所需要がますます高まる。」「集合墓地が受け入れられるようになってきている。」「自然に還りたいという志向が高まっている>樹木葬など」と指摘されています。




また、都立霊園の役割として以下がコメントされています。





●都民の自然に還りたいという志向も考慮すると、それに対応する新たな形式の集合墓地の導入も検討していく必要がある。



●墓地として機能するだけでなく都民へ貴重な緑と安らぎの場を提供している。



●巨樹や著名人墓所などの自然的・人文的資産も数多いことから、これらの資産を大切に扱い、都立霊園の魅力をさらに高めるように努める必要がある。



これを受けて、”樹林墓地、樹木墓地”が提言されています。



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①樹林墓地、樹木墓地の都立霊園への導入



●墓地に対する価値観の多様化が進み、死後は自然に還りたいという思いから、シンボル
として樹木を植栽し、遺骨や遺灰を樹の根元に埋蔵する、「樹木葬」という形をとる墓所が注目されるようになってきた。


●「樹木葬」の事例の特徴としては、墓所としての集約性とともに、都市における良好な緑の形成に役立つなど、環境保全に寄与する側面のあることが認められる。



●景観的にも優れ、人々に安らぎを与えるこの墓所形態は、都立霊園への導入が期待される墓所形態である。



●都立霊園に導入する場合は、霊園に潤いをもたらすよう、樹林や樹木をシンボルとして活用し、都民が安らぎ新たな慰霊の空間となる樹林墓地、樹木墓地を採用することが望ましい。




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緑の中の墓地というと、ストックホルムのWoodland cemeteryや厳密には墓地とは異なりますがワシントンDCのベトナムメモリアル(写真)などが有名です。



これらはデザインの完成度も高く、都市の緑のオープンスペースとして貴重な観光資源となっています。



東京都下の墓所も青山墓地など花見の名所になっているところはあるものの、日常的に都民の憩いの場や観光資源として機能しているのスペースは少ないように感じます。



現実には、一区画でも多く整備することのみを目標とした、工夫の少ない土地造成となっている事業もあるかとおもいます。



今回の答申からも理解できるとおり、利用者のニーズや都市の中での墓所の位置づけ、役割などが見直されつつあります。



人口減の時代を迎える中、墓所を持続的にマネジメントしていくためには、このような動向も認識する必要がありそうです。





■関連サイト

東京都建設局:http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/kouen/shingikai/19matome.html



Woodland cemetery:http://worldheritage.heindorffhus.dk/frame-SwedenSkogskyrkogaarden.htm




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