企業緑地/仏 イブロシェ



フランスの自然派化粧品会社として知られるイブロシェ(Yves Rocher)のLa Gacilly施設は、パリ近くののどかな田園の中に立地している。

 研究施設は庭園に囲まれ、その周辺部分も含めて絶滅危惧植物の保全活動や環境教育活動、そして植物の利活用方法の研究など多様な活動を行っている。

 歴史的様式を伝える庭や薬用植物の庭を巡るツアー、1000種類以上もの植物が栽培されるナーセリー、絵画や写真展示などのイベントを行う地となる庭園などが整備され、地元の施設ともうまく連携している。

○地元の石材を用いた伝統的な造園様式

 研究施設周辺のナーセリー



 化粧品とその原材料と成る植物(薬草)、本業に近い分野でどのようにして社会的責任を果していくのか、イブロシェの取り組みは非常にわかりやすい。他の産業が取り組み方法を模索している生物多様性保全にも熱心であるが、自然の恵みが企業の存続と直結しているため、経営陣や株主の理解も得やすいのであろう。

 今後のわが国の企業緑地のあり方にも多様な示唆を与えてくれている。



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