都心回帰

「都心回帰の経済学」(八田達夫/編)が注目されている。まえがきによると

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現在、日本経済の回復とともに、大都市におけるオフィスビルやマンション建設が盛んになってきた。これは、景気拡大期に大都市人口が増える上記の傾向を基本的には反映していると考えられる。しかし顕著な違いもある。その1つは、今回の回復では、都心回帰の兆候がはっきりと見えることである。すなわち、人口の増大が郊外化の形をとらず、都心のオフィスビルやマンションの建設が進んでいる。東京においても大阪においても、最近では都心人口の伸びのほうが郊外人口の伸びよりも大きい。

この背景には、2000年代初頭において、都市再生のために様々な法的整備、特に都心再生のための整備が行われたことがある。さらに、政策の骨組みとしての「国土の均衡ある発展」という方針が放棄されたこと、工業(場)等制限法が廃止されたことがある。
これまでの好況時には、様々な規制のために、都心の床不足を生んできた。しかし、今回の景気回復は、大都市の都心再生および、それと並行した東京・大阪の発展の足かせの除去という法的整備を背景として起きている。このことが、これまでの景気回復と異なった環境を作り出したといえよう。

(中略)

本書の主な結論は以下のとおりである。
まず、従来の都心抑制策から都心回帰可能型政策に転換し、容積率規制の緩和を行った場合、便益が通勤混雑増加の費用を大幅に上回る。さらに、郊外における生産年齢人口の相対的な減少を考えると、都市再生による通勤混雑の弊害はますます発生しにくくなると考えられる。したがって、都心回帰可能型政策への政策転換は正当化できる。

次に、都心への集積がもたらす混雑を抑制するためには、集積の利益自体を抑制してしまう容積率規制ではなく、混雑に対する直接的な対策であるピークロードプライシングを適用すべきである。

さらに、都市の制約要因としての空港整備に関しては、首都圏では、これまでのしがらみに縛られることなく、成田・羽田空港間の路線再配分を行えば、費用を大幅に上回る社会的な便益をもたらすことができる。また関西圏では、既存空港の廃止と新規空港建設により、同様のことを期待できる。

また、過去の大阪の衰退の原因を分析することで次のことが明かになった。まず、工場等制限法の廃止は、大阪地区の経済を再生させる契機となりうる。さらにそれを加速するためには、都心の集積化、空港の立地の抜本的みなおし、ガバナンスの再編が必要である。

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容積率緩和などにより、都市再生/都心回帰を加速させる論旨は賛否が分かれるかもしれないが、重要な

これらに加え重要な視点は、魅力的な住環境がなければ、優秀な労働者は他の都市に

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